山中の岩に残る一メートルの鬼の手形
どんな伝承か
著者は郷里である盛岡の三つ石神社に残る鬼の手形が、人間の掌と同じ程度の大きさにすぎないと報告したうえで、福島県の郡山近くの山中にある鬼の手形のほうが凄かったと記す。握った拳をめり込ませたように岩が窪んでおり、その大きさは一メートルもある。それが本当に鬼の仕業なら、身長二十メートルの鬼ということになる。自然のいたずらであろうが、五本の指がはっきり見て取れて面白い。その近辺には鬼にまつわる伝説がやたらと残されており、岩手という地名はむしろこの周辺のほうがふさわしいと思われた、という。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
黄昏綺譚(高橋克彦・幽霊・怪異体験・1996年(平成8年))
『黄昏綺譚』は、高橋克彦が連載をまとめ、一九九六年七月付のあとがきを付したエッセイ集で、吉田光彦の挿絵と組んだ画文集である。著者が体験し見聞きした分身や生霊、寺での怪異、前世、UFOなどの不思議と、史料や神話に残る怪異、宮澤賢治をゴッホの生まれ変わりとみる考えを語る。「この世に幽霊はいる」「不思議な話が史料や神話に」「宮澤賢治はゴッホの生まれ変わり!!!」の三部に分かれ、巻末にあとがきと丸尾末広の解説「黄昏るペン」を収める。