浮島沼で引き裂かれた雌雄の鹿
どんな伝承か
むかし浮島沼の中に島があり、雄と雌の鹿が棲んでいた。ある晩、海が荒れて海水が沼に流れ込み、島は二つに割れて、雄鹿は東の島に、雌鹿は西の島に分かれてしまった。鹿が死んだ後、村人が哀れんで塚を作ったという。
原典より
大鹿城の南方に當る田圃の中にあり、大鹿氏の名馬白鹿を埋めた處といふ。—— 日本伝説名彙2 より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙2
柳田國男監修『日本伝説名彙』の後半にあたる部分で、全国の伝説を地物の種類ごとに分けて集めた名彙である。塚の部(糠塚・七人塚・首塚・十三塚など)、坂・峠・山の部、谷・洞の部、屋敷・城趾の部(長者屋敷・朝日長者・白米城など)、祠堂の部(地蔵・薬師・観音・天神・八幡・稲荷・宮など)の各題の下に、府県・郡・村の所在地を頭に置いて各地の伝えを短く並べ、多くの条に出典の郡誌・伝説集の名を添える。