湯の無い風呂に入った女優
どんな伝承か
長野県の下諏訪地方に伝わる風呂場の怪で、平野威馬雄の『日本怪奇名所案内』から引かれる。映画からテレビへ移った女優のBさんがロケで泊まった宿で、マージャンを始めたスタッフより先に風呂へ下り、湯上がりの顔で「いいお湯だった」と戻ってきた。すると宿の人が、そちらの風呂は不吉なことがあって何年も湯を沸かしていないと声を上げた。見に行くと風呂場は蜘蛛の巣とかびの臭いに覆われ、浴槽は空だったが、床とBさんの石けんだけは濡れていた。数年前、泊まった男女が喧嘩をし、女性が風呂場で刺し殺されたのだという。
原典より
しかし不思議なことに、風呂場の床は誰かが入った後のように、水で濡れていたという。—— これが臨死体験だ(つのだじろう(巻頭寄稿)ほか) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
これが臨死体験だ(つのだじろう(巻頭寄稿)ほか)
『これが臨死体験だ』は、つのだじろうの巻頭寄稿「私の考えるあの世」を掲げ、超科学研究会や本誌編集部などの読物を集めた心霊と超常現象の読物集である。『日本霊異記』の蘇生譚やムーディの研究に拠る臨死体験の解説を軸に、スウェデンボリーの霊界探訪、江ノ島や勝興寺などの怪異の地、死の予言、転生、『チベットの死者の書』を取り上げる。特別読物五本のほか、読者投稿の不思議体験、血液型や「気」の実用読物、国内外の怪事を伝える短信を収める。