菊池寛の講演旅行中の襲撃事件(今治市S旅館)
どんな伝承か
昭和十一年一月、菊池寛は毎日新聞社主催の四国講演旅行中、愛媛県今治市のS旅館に宿泊した際に幽霊に襲われたという。深夜、廊下にいた痩せた男が菊池の部屋に入り込み、寝ている菊池の上に馬乗りになって首を絞めようとした。抗った際に男の口から血が流れるのを感じ、菊池は「これは人間ではない」と悟ったという。この宿は地元で知られた化物屋敷で、三年前に肺病で死んだ元の主人の霊だと伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
あの世はあった―文豪たちは見た、ふるえた(三浦正雄・矢原秀人・2006年(平成18年))
『あの世はあった――文豪たちは見た!ふるえた!』は、三浦正雄と矢原秀人が二〇〇六年に著した、近代日本の作家や知識人の霊体験を紹介する読み物である。熱海の旅館で遠藤周作と三浦朱門が同時に遭った幽霊、佐藤愛子の心霊現象、菊池寛・宮沢賢治・小泉八雲・土井晩翠・新渡戸稲造・南方熊楠らの体験、夏目漱石の臨死体験を、本人や周囲の文章を引いて語る。一人一章の全十二章にまえがき・あとがきを添え、巻末に霊媒クランドン夫人の実験記録を付録として収める。