幼将の霊を弔う魔羅観音の祟り
どんな伝承か
長門市下安田には、男性の象徴をかたどった「魔羅観音」がある。道端に大看板が立ち、林の中に並ぶ多くの像は参拝客が奉納したもので、本尊は薄暗い祠の奥にあって見つけにくい。その由来は悲惨だ。一五五一年、重臣の謀反に敗れた大内義隆は一族と大寧寺まで落ち延び、子の義尊を側近四人と僧一人に託して自害した。義尊の一行はなおも逃れたが、下安田で雑兵に討たれた。追手は幼い首では男女の区別がつかず、証拠に一物まで切り取って持ち去ったため、哀れんだ村人が観音を祀って霊を弔ったという。明治五年の布令でこれを取り払った村の警官は、その夜下腹部の激痛に苦しみ、本尊を元に戻したと伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊大全(中岡俊哉・2000年(平成12年))
『心霊大全――20世紀の超自然現象世界』は、中岡俊哉が二〇〇〇年(平成十二年)に著し、ミリオン出版から刊行した超常現象の総覧である。日本各地と世界各国の怪奇現象・伝説・心霊の地を県別・国別に紹介し、心霊写真・自動書記・憑依などの心霊現象、臨死体験と輪廻転生、透視・念力などの超能力、手かざしの治療を解説する。全六章から成り、巻末に著者インタビュー、著書・ビデオ作品一覧、あとがき、著者略歴を付す。