詐欺で失脚した天然社の御本尊
どんな伝承か
先年、池袋に起こった天然社は、多数の信者と財宝とを集め得た点で、また当時のお歴々といわれる諸公の過半までも信者に引き入れた点で、ある意味では今日の大本教よりも遥かに有力なものであった。しかし、その御本尊であった何某が、ひとたび詐欺恐喝という罪名のもとに巣鴨監獄に投ぜられるや、たちまち信者の心を失い、いまでは一人も天然社を口にする者がいなくなった。著者はこれを、宗教や思想団体の仮面をかぶった集団をどう処置すべきかを示す「よい教訓」として引き、大本教についても同様に破廉恥行為を究明すべきだと説いている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
變態心理と犯罪(中村古峽)
『變態心理と犯罪』は、中村古峽が著した変態心理学の論集である。二重人格、夢遊病、狐憑きや神隠し、催眠術を心理学の立場から解き、大本教・天理教・金光教などの神憑りや心霊術を迷信として論じ、迷信や二重人格のからむ大正期の犯罪事件の実話を収める。著者自身の被験者や大本教訪問の見聞を例に引き、変態心理の解説から催眠術、宗教批判、犯罪の実話へと進む順に並べる。