拾った屍骸で百両を取る
どんな伝承か
元禄の頃、三陸海岸の港町気仙沼に良吉というなまけ者がいた。近所の寡婦ミツに、道に落ちているものを何でも拾ってこいといわれ、布切れや木の切端を拾って歩いた。ある日つまずいたのは女の屍骸で、良吉はそれも背負って帰った。ミツは屍骸を湯かんして化粧し、自分の着物を着せ、酒樽を持たせて町一番の酒屋の戸口に立てかけた。戸を叩いて逃げると、開けた酒屋に屍骸が倒れ込み大騒ぎになった。ミツは嫁が殺されたと迫り、酒屋は口止めに百両を出した。良吉はその後も下を見て歩き、首が上がらなくなったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
東北怪談の旅(山田野理夫・昭和49年(1974年)頃)
東北怪談の旅(山田野理夫)/飢饉の非業の死と怨念/巫女(イタコ)の口寄せ/座敷童子・河童の怪/東北各地の幽霊伝承