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谷奥に現れた無人の黒門の家

所在地岩手県宮古市小国
年代伝承・不詳
登場柳田國男、採録者
出典日本怪談集 幽霊篇

どんな伝承か

小国の三浦某は村一の金持ちである。二、三代前の主人がまだ貧しかったころ、少し魯鈍だった妻が門前の小川に沿って蕗を採りに入り、次第に谷奥深く登った。ふと見ると立派な黒い門の家がある。中へ入ると庭には紅白の花が一面に咲き鶏が遊び、牛小屋には牛、馬舎には馬が多くいるのに人影がない。座敷には朱と黒の膳椀が並び、鉄瓶の湯がたぎっている。山男の家ではないかと恐ろしくなって駆け帰った。後日、家の川戸で洗い物をしていると川上から赤い椀が流れてきた。それで穀物を量ると、いつまでも穀物が尽きず、家は幸運に向かったという。遠野では山中の不思議な家をマヨイガという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本怪談集 幽霊篇(今野圓輔・今野圓輔・日本怪談集・1969年(昭和44年))

『日本怪談集 幽霊篇』は、今野圓輔が昭和四十四年に編んだ幽霊体験談の集成である。新聞・雑誌・単行本や民俗の報告、編者自身の採集から、影や物音、人魂、生霊、死の知らせ、皿屋敷、戦死者の霊、船幽霊、タクシーに乗る幽霊など、日本各地の人びとが見聞きした怪異を、作家の創作を除き原文を尊重して再録する。十章に分けて各章の頭に編者の解説と注を置き、巻末に産女や子育て幽霊を論じた「幽霊外伝」と木原浩勝の解説を付す。

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