トップ > 東京都の伝承 > 千代田区

八か月前に死んでいた従弟の来訪

所在地東京都千代田区有楽町(有楽町駅)
年代江戸
登場矢田氏、矢田挿雲、体験者・作家
出典日本怪談集 幽霊篇

どんな伝承か

『江戸から東京へ』の著者、矢田挿雲のもとへ、十年以上音信のなかった従弟が新聞社を訪ねてきた。受付に名刺を出し、京都の織物会社に勤めていると告げ、学生のころと変わらぬ堅い挨拶をする。母が昨年の暮に亡くなったと聞かされ、矢田は通知もよこさぬのかと叱った。茶を飲もうと連れ立って有楽町駅そばまで来たところで、従弟はすぐ戻るからと言い残して横丁へ駆け込み、それきり姿を見せなかった。十三年後、矢田が京都の家を訪ねて初めて知ったのは、その従弟が訪問の八か月も前に病死していたことである。名刺は戦災で焼け、証拠は何も残らなかった。

地図で位置を見る

※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本怪談集 幽霊篇(今野圓輔・今野圓輔・日本怪談集・1969年(昭和44年))

『日本怪談集 幽霊篇』は、今野圓輔が昭和四十四年に編んだ幽霊体験談の集成である。新聞・雑誌・単行本や民俗の報告、編者自身の採集から、影や物音、人魂、生霊、死の知らせ、皿屋敷、戦死者の霊、船幽霊、タクシーに乗る幽霊など、日本各地の人びとが見聞きした怪異を、作家の創作を除き原文を尊重して再録する。十章に分けて各章の頭に編者の解説と注を置き、巻末に産女や子育て幽霊を論じた「幽霊外伝」と木原浩勝の解説を付す。

種別から探す

日本怪談集親しき幽霊死者の来訪名刺

千代田区の伝承

同じ種別の伝承

同じ文献『日本怪談集 幽霊篇』の伝承