烏賊釣りの舟に乗ろうとする三人の女
どんな伝承か
長崎県五島の鰐河付近に伝わる怪異譚。明治三七、八年頃、石花(牡蠣)採りに出た若い女三人が満潮のため溺死した。その後の明治四四、五年のある夜、烏賊釣りに出た若い男の舟に三人の女の幽霊が乗り込もうとしてきた。男は櫓で応戦するうち舟を海に落としたが泳いで戻り村人に助けを求め、舟の中に倒れていたという。(久保清・橋浦泰雄『五島民俗図誌』)
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪談集 幽霊篇(今野圓輔・今野圓輔・日本怪談集・1969年(昭和44年))
『日本怪談集 幽霊篇』は、今野圓輔が昭和四十四年に編んだ幽霊体験談の集成である。新聞・雑誌・単行本や民俗の報告、編者自身の採集から、影や物音、人魂、生霊、死の知らせ、皿屋敷、戦死者の霊、船幽霊、タクシーに乗る幽霊など、日本各地の人びとが見聞きした怪異を、作家の創作を除き原文を尊重して再録する。十章に分けて各章の頭に編者の解説と注を置き、巻末に産女や子育て幽霊を論じた「幽霊外伝」と木原浩勝の解説を付す。