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速水姫と沈蛇瀧の八頭の大蛇

所在地大分県豊後大野市(沈堕の滝)
年代不明(伝説)
登場速水姫、佐賀関権現の神主の娘・滝壺に身を投げた
出典炉辺叢書 筑紫野民譚集

どんな伝承か

昔、佐賀関の権現の神主に速水姫という娘がいた。十八歳のとき供を連れて沈蛇瀧を訪れると、突然瀧壺に身を投げ、姿は二度と見られなくなった。一周忌の日、死んだはずの姫がふいに帰宅し、奥の間にただ一人で休みたいと願い、決して声をかけるなと言い残した。夜半、好奇心から扉の隙間を覗いた者が見たのは、部屋いっぱいにうねる八頭の大蛇であった。それ以来、姫が瀧壺から大野川を伝って佐賀関へ帰ってくると噂され、その日には今も祭が営まれている。

原典より

それは部屋一ばいうねくねこ巻まる八頭の大蛇であつた。—— 炉辺叢書 筑紫野民譚集(及川儀右衛門・1923年(大正12年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

炉辺叢書 筑紫野民譚集(及川儀右衛門・1923年(大正12年))

『炉辺叢書 筑紫野民譚集』は、及川儀右衛門が筑紫野で暮らした二年ほどの間に、土地の故老や下宿の老婆から聞いた話、教え子が書き送ってきた物語を文献とも照らしてまとめた民譚集である。筑後を中心に筑前・肥前・肥後・豊前・豊後の河童、怪火、長者の話、神事と歌舞、山と水の伝奇、狐狸や幽霊の怪異を六篇に分けて収め、多くの話に古記録を引いた〔註〕を添える。序の日付は大正十二年六月である。

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