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生後二十日で歯が生え酒を好む赤ん坊

所在地徳島県名西郡石井町浦庄下浦
年代明治〜昭和
登場富田岩吉、西田しま、赤ん坊の父・雑業、赤ん坊の母
出典日本怪奇集成-明治大正昭和篇

どんな伝承か

明治二十六年、阿波国名西郡浦庄村大字下浦の百六十番屋敷に住む雑業富田岩吉三十八歳の情婦、西田しま二十四歳が、六月三十日に男児を産んだ。この赤ん坊は珍しい異常児で、生後わずか二十日ほどでもう下の前歯が生え、三十日ばかり過ぎる頃には仰向けに寝かせておくと独りで寝返りをうって俯せになるほど自由に体を動かした。手に物を握らせると三歳くらいの子と同じような力を出し、麦飯や甘藷を与えると独りで上手に食べた。薬は嫌って飲まないのに、試しに酒を飲ませるとチュウチュウと音を立てて大喜びで飲むので、人々はその怪童ぶりと成長後を心配したという。

原典より

薬が非常にきらいで、どんなにして飲ませようと思っても飲まないが、ある時試しに酒を飲ましてみたところ、大喜びでチュウチュウと音をさせて飲むので、人々はその怪童ぶりと、酒好きの様子に、成長後を心配していたという。—— 日本怪奇集成-明治大正昭和篇(富岡直方 編著) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本怪奇集成-明治大正昭和篇(富岡直方 編著)

『日本怪奇集成-明治大正昭和篇』は、富岡直方が編んだ怪奇実話集である。明治元年から昭和七年までに各地で起きた幽霊や狐狸の怪、畸形や奇病、天変や奇瑞、世相の珍事を、当時の新聞・雑誌の記事と筆者自身の聞き書きから集めている。明治・大正・昭和の三篇に分け、話ごとに年月を掲げて通し番号を振り、新聞記事を引いたうえで紙名を末尾に添える形を基本とする。

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