虹から伊豆大地震を予知した青年
どんな伝承か
昭和五年十一月二十六日午前四時、丹那盆地を中心に伊豆半島を襲った大地震があった。その前日の二十五日午後一時ごろ、京都帝国大学理学部長の石野又吉博士は、京都府与謝郡府中村の農家、椋平佐太郎の次男広吉(二七)から「アスアサ四ジ イズ ジシンアル」という電報を受け取った。翌朝、博士は号外で予言が的中したのを知り驚いた。広吉は、二十五日午前十一時五十分に江尻浜の観測地から丹後手島半島上空に独自の地震予知の虹を発見し、製図の結果、伊豆に地震があると予知して天の橋立郵便局から打電したと語った。彼の予知した地震は大小四百十二回に達し、すべて的中したという。
原典より
その大地震のあった前日、すなわち二十五日午後一時ごろ、京都帝国大学理学部長の石野又吉博士は、一通の電報を受け取った。その電報の差出人は、京都府与謝郡府中村の農家、椋平佐太郎氏次男広吉君(二七)で、電文には、—— 日本怪奇集成-明治大正昭和篇(富岡直方 編著) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪奇集成-明治大正昭和篇(富岡直方 編著)
『日本怪奇集成-明治大正昭和篇』は、富岡直方が編んだ怪奇実話集である。明治元年から昭和七年までに各地で起きた幽霊や狐狸の怪、畸形や奇病、天変や奇瑞、世相の珍事を、当時の新聞・雑誌の記事と筆者自身の聞き書きから集めている。明治・大正・昭和の三篇に分け、話ごとに年月を掲げて通し番号を振り、新聞記事を引いたうえで紙名を末尾に添える形を基本とする。