シャツの下から出た引寄せの品
どんな伝承か
明治の末から大正の初めにかけ、心霊の研究をめぐって詐術の露見が相次いだ。山川健次郎の追試で丸亀の長尾夫人の念写に疑いが向き、本田親二は霊媒三田光一のフィルムがすり替えられていたのを見破っている。中村古峡と著者は、ロシア人ゼーゲル夫妻の思想伝達が声を使った暗号だと突き止めた。主婦之友社のビルの上で行われた御岳行者の念動実験もその一つで、遠くから品物を呼び寄せると称していたが、著者がシャツの下に隠してあった品を引き出して見せ、種が割れた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊現象の科学(小熊虎之助・1974年(昭和49年))
『心霊現象の科学』は、小熊虎之助が心霊現象を科学の立場から論じた研究書で、序とあとがきに昭和四十九年四月の日付がある。コックリ・自働書記・読心術・憑きものなどの偽心霊現象と、精神感応・幽霊・交霊などの真実の心霊現象とを分けて検討し、福来友吉による三船千鶴子・長尾夫人・高橋夫人・三田光一の透視・念写の実験も取り上げる。全五章に参考書目を付し、あとがきでは井上円了以来の日本の心霊現象研究史を概説する。