三枚重ねの中央にだけ出た妙法
どんな伝承か
一回目は目的の乾板でなく別の板に感光しており学術の値打ちがないので、二度目は大正二年四月二十七日に福来の自宅で行うことになった。福来はその朝イルフォード社の手札型乾板を一ダース買い、大学の暗室で三枚を抜いて番号を書き、直接重ねて茶色の紙に包み、箱に入れて十文字に帯封をして封印する。それを風呂敷と袱紗にくるみ、床の間の厨子へ納めて扉を閉め、書記に見張らせた。夜八時半、高橋穣と久保良英の立ち会いで行うと、狙いどおり前後の板は感光せず、中央の一枚にだけ「妙法」の二字が現れた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
念写発見の真相(山本健造・念写・超心理研究・1980年(昭和55年))
『念写発見の真相』は、飛騨に住む山本健造が著した福来友吉の伝記と学説紹介の書で、はしがきは昭和五十五年十一月三日付である。念写を発見した福来の幼少期から、東京帝大での透視・念写実験と追放、宣真女学校長・高野山大学教授の時代、仙台での晩年までをたどり、著者による高山市の福来博士記念館建設の経緯や六次元の原理を述べる。全十五章からなり、第二章に福来の論文「弘法大師の御霊影」を再刊のことばとともに収める。