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疫病神を連れて来た女の霊と数馬祭り

所在地京都府宮津市
年代伝承(口承)
登場治之助、六郎兵衛、弥左衛門、数馬、数馬の霊が憑いた下男、治之助の主人の百姓、霊の言葉を聞いた隣家の人、小倉播磨守に殺された女の霊
出典幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵

どんな伝承か

元禄十五年正月、丹後の宮津の在で疫病がはやった。村の百姓六郎兵衛の下男治之助は、七日の夜の帰り道、松の木の下に背の高い白装束の女が立つのを見たが、誰にも話さずにいた。やがて治之助は寒気を覚えて寝込み、熱にうかされると起き直って、自分は昔この地の城主小倉播磨守に仕えた若狭生まれの数馬という女で、元亀三年に讒言で無実のまま殺され、百三十一年苦しんでいると語った。百万遍の功徳にすがるため加佐郡の厄病神を連れて来たのであり、来月十七日に数馬祭りをして弔ってくれれば村の守りになると告げた。六郎兵衛らが約束すると治之助は正気に戻って快復し、村は施餓鬼を営み、城山の麓に祠を建てて数馬祭りを行ったという。

原典より

自分は此所の昔の城主小倉播磨守に奉公をしてゐた若狭生れの数馬と云ふ女であるが、主人は人の讒言を信じて、實否も糺さず、元龜三年正月十七日に自分を無辜に殺した。—— 幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談)

『幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵』は、岡田蒼溟による霊怪の事例集である。祟る石、出雲の瀧姫行者、神西湖の妖怪、但馬の抜け首、黄金の精、海の牛鬼、天狗などの怪異を、著者自身の見聞や知人の談話、古い文書からの移載によって集め、明治・大正期の出雲や松江周辺の事例を多く含む。項目によっては【解題】や註を添え、事例の後に「第二編」と附録の「天狗考」を続け、巻末の「解説の欄」で生霊・疫神・物体の飛来などを心霊研究の立場から論じる。

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