深夜のプラットホームに響く数珠の音
どんな伝承か
山崎在住の二十五歳の男性が語ったところによれば、去年九月、明石市内に住む友人宅からの帰り、終電を逃してプラットホームのベンチで夜を明かそうとした。深夜一時過ぎ、数珠を激しく揉み合わせるような「ジャリジャリ」という音が、方向感覚のないまま頭の中で響くように聞こえてきたという。しんと静まり返った真夜中のホームでの体験だった。
原典より
それを手の中で、はげしく揉み合わせているような音が・・・・・・ジャリジャリジャリ………………と、じつに、はっきりときこえてきたのです。—— お化けについてのマジメな話(平野威馬雄・1974年(昭和49年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
お化けについてのマジメな話(平野威馬雄・1974年(昭和49年))
『お化けについてのマジメな話』は、平野威馬雄が昭和四十九年に著した幽霊とお化けをめぐる随筆である。自ら主宰する「お化けを守る会」に寄せられた体験談や、大阪の毎日放送のラジオ番組で聴取者が電話で語った話を軸に、前世や霊媒・降霊実験など海外の心霊研究、井上円了の妖怪論、古い記録に見える犬神などの憑きものを取りあげる。体験談から死後の世界、お化けを呼ぶ方法、昔のお化けへと進む八章立てで、巻末にあとがきを置く。