成城の家で足首を引かれた夜
どんな伝承か
引っ越したばかりの成城の家で、横尾忠則が寝ていると、表で戸を叩く音が七回した。起き上がろうとしても何かに強く押さえつけられて動けない。子供が乗っているようだと感じたその時、左の足首をつかまれ、猛烈な勢いで引っぱられた。思わず大声を上げて跳ね起きると、目の前の本箱のあたりに、途方もなく大きな男の体がぶわりと浮かんで見えた。すぐ明かりをつけたときにはもう消えていたが、全身に汗をびっしょりかいていたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
お化けについてのマジメな話(平野威馬雄・1974年(昭和49年))
『お化けについてのマジメな話』は、平野威馬雄が昭和四十九年に著した幽霊とお化けをめぐる随筆である。自ら主宰する「お化けを守る会」に寄せられた体験談や、大阪の毎日放送のラジオ番組で聴取者が電話で語った話を軸に、前世や霊媒・降霊実験など海外の心霊研究、井上円了の妖怪論、古い記録に見える犬神などの憑きものを取りあげる。体験談から死後の世界、お化けを呼ぶ方法、昔のお化けへと進む八章立てで、巻末にあとがきを置く。