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向かい河原で見つかった正気なき嫁

所在地福島県郡山市木賊田
年代寛延元年(1748)
登場喜惣兵衛の嫁、喜惣兵衛、失踪した嫁の舅
出典疫病と狐憑き-近世庶民の医療事情

どんな伝承か

寛延元年、守山領木賊田村の喜惣兵衛の嫁が、昼どきに隣家へ返す品を持って出たまま行方知れずになった。方々を捜したところ、夜になって金屋の向かい河原で見つかった。そのときの様子は「狐にひかれ候様子、正気もこれ無く候由」と報告されている。欠落は本来きびしく咎められたが、嫁は正気を失っており病気同様であるとして、寺訴訟に及ぶまでもなくそのまま許された。狐に引かれての失踪が、村からの逃亡とははっきり区別して扱われていたことが分かる。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

疫病と狐憑き-近世庶民の医療事情(昼田源四郎・昭和中期(推定))

本書は江戸時代の陸奥奥州守山藩領における『御用留帳』を史料とした、近世農村の医療事情と心霊現象の研究である。狐憑きや物付きなどの精神疾患が、祈禱や指籠入れ(座敷牢)によって治療された実例を14件詳述する。天明・天保の飢饉や流行疫病(疱瘡、麻疹、コレラ等)への対応と並行して、乱心者の社会的処遇、責任能力の鑑別問題、欠落(逃亡)との区別が論じられている。

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