バーの経営中に霊が命じた玉寄の入巫
どんな伝承か
玉寄郁子はかつてコザで料亭を営んでいたが、経営難で借金がかさみ、泥棒にも入られ、夫とも不和になって三十七歳で離婚した。五人の子を抱えて那覇に出て、人の料亭を任されたものの一か月ほどで手を引き、神里原に「いくこ」というバーを開いた。一年ほどたつと神ダーリーが始まり、頭がぼんやりして仕事が手につかなくなった。借金で日々をしのいでいたある日、霊が現れてユタになるよう命じ、判じの方法も教えた。四十四歳のときで、その日から気持ちが落ち着き、暮らしも安定していったという。
原典より
その霊がユタになることを命じ、判じの方法も教えてくれたのである。—— ユタと霊界の不思議な話(月刊沖縄社) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
ユタと霊界の不思議な話(月刊沖縄社)
『ユタと霊界の不思議な話』は、月刊沖縄社が編んだ、沖縄の霊能者ユタについての取材記録である。那覇など都市地区の有名なユタへの取材をもとに、持ち込まれる相談、ユタになったいきさつ、マブイと霊界の考え方、十二支寺や拝所巡拝の意味を問答の形で記し、依頼者の体験談も添える。序章の体験談と四つの話に続いて、ユタを母に持った子の手記、霊示を書き取る人の話、有名霊能者百二十人の一覧、用語説明を収める。