首里の旧家の悲恋を結ぶ霊示
どんな伝承か
ユタの伊識春野が受けた霊示のうち、二節めの文に託されたのは昔の士族の縁結びであった。首里に高宮城家と高嶺家という旧家があり、この二家の先祖たちが悲恋をしているという。高宮城家には逆立ち幽霊を救ってやったという逸話をもつ先祖がおり、その二男が高嶺家の娘と愛しあっていた。ところが男は中国へ勉強に行く途中、台風にあって帰らぬ人となってしまう。高嶺家の娘はこれを悲しんで一生独身で終わったと伝わる。この二人を結ばせてやってくれ、というのが霊示の内容で、伊識にとっては二番めの仕事であった。旧家に関わる仕事だけに、精神的には苦労したという。
原典より
ところが、男は中国に勉強に行く途中、台風にあって帰らぬ人となってしまう。—— ユタと霊界の不思議な話(月刊沖縄社) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
ユタと霊界の不思議な話(月刊沖縄社)
『ユタと霊界の不思議な話』は、月刊沖縄社が編んだ、沖縄の霊能者ユタについての取材記録である。那覇など都市地区の有名なユタへの取材をもとに、持ち込まれる相談、ユタになったいきさつ、マブイと霊界の考え方、十二支寺や拝所巡拝の意味を問答の形で記し、依頼者の体験談も添える。序章の体験談と四つの話に続いて、ユタを母に持った子の手記、霊示を書き取る人の話、有名霊能者百二十人の一覧、用語説明を収める。