牛鬼を射止めた弓の名人高清の墓
どんな伝承か
根香寺に牛鬼の角を納めた山田蔵人高清の墓は、高松市街から南へ車で四十分ほどの香川県塩江町の畑の一角、高清の屋敷跡にぽつんと残っている。平成三年に塩江町教育委員会が立てた看板によれば、高清は安原下中村に生まれた弓の名人で、豊臣秀吉の朝鮮出兵では藩主生駒親正の軍に加わって手柄を立てた。藩主から青峰山の牛鬼退治を命じられると、根香寺の千手観音に十七日間祈って満願の日に仕留め、菩提を弔うため角に米十五俵を添えて寺に納めたという。文禄三年二月二日に没し、この地に葬られた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
妖怪伝説奇聞(東雅夫・2005年(平成17年))
『妖怪伝説奇聞』は、東雅夫が二〇〇五年に学習研究社から刊行した妖怪伝承地の探訪記である。稲生物怪録の木槌、クダン、牛鬼、塵輪、ナメラスジ、八幡の藪知らず、鬼の骨、蛇骨、鍋島の怪猫、児啼爺などを追い、中国・四国・九州ほか各地の寺社や旧家を訪ねて遺物と伝承を確かめる。月刊誌「ムー」の連載「日本伝説紀行」の十二章を三つのカラーグラビアで区切り、巻末に草双紙『鍋島猫騒動』の復刻を添える。