銀座の会社員と運転手の心理戦
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どんな伝承か
東京・銀座の某一流会社に勤めるH氏は、毎週水曜日の夜に会社の飲み友だちと、有楽町のガード下の一杯飲み屋で杯を重ねるのを習慣にしていた。自宅は千葉県船橋市で、仲間三人も帰路が同方向だったので、四人はいつも同じ個人タクシーに乗り、順送りで帰宅することにした。帰途の車内の会話が声高だったため、運転手に事情が筒抜けになった。以後、水曜の晩にいつもの店を出ると、その個人タクシーが待っていて「千葉でしょう、帰りましょう」と声をかけてくる。ヘソを曲げて新宿で飲み直すと宣言すると、今度は有楽町から新宿、千葉と回るようになった。ある水曜の晩には店へ踏み込み、羽交いじめにして千葉へ強制送還してしまったという。
原典より
自分の所から二十里ほどの後藤野の話。—— 現代民話考 ― 偽汽車(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和〜平成) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 偽汽車(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和〜平成)
松谷みよ子『現代民話考 ― 偽汽車』を小話単位で全525話収録。汽車・船・自動車などの乗り物にまつわる現代の民話・怪談を全国から採集。狐狸が汽車に化ける偽汽車、船幽霊、タクシーに乗る幽霊などを地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明496話・市区町村判明359話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。
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