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閻魔大王になっていた同じ村の庄さん

所在地高知県香美市
年代現代
登場竹島春江
出典現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話

どんな伝承か

昭和の初め頃、高知県香美郡岩村に覚さんという男がいた。四十過ぎの夏、酒を飲みすぎて倒れ、七日七晩目を覚まさず医者もさじを投げたが、八日目にぽっかり目を開けて語り出した。風の吹く暗い道を歩き、舟でひとりでに三途の川を渡ってエンマ庁に着くと、大王が親しげに名を呼ぶ。見れば三年前に死んだ同じ村の庄さんだった。庄さんが言うには、先代の大王に歌を聞かせたら聞きほれて止めてくれず、疲れて大王をつつくと大王は地獄へ落ち、自分が代わりを務めることになった。庄さんは、岩村の者はみな極楽へやると伝えよと念を押して覚さんを帰した。覚さんはその後八十近くまで生きたという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・2003年(平成15年))

『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』は、松谷みよ子が編んだ現代の民話の聞き書き集で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。一九七八年に発刊された『民話の手帖』を通じて全国から寄せられた回答を中心に、臨死体験、死の知らせ、寺へ来る死者、生まれかわりの話を収める。「あの世へ行った話」「死の話」「生まれかわり」の三章の冒頭に編者の論考を置き、細目ごとに所在地・話者・出典を添えた類話を並べる。

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