花園の川で鬼に止められた重傷の男
どんな伝承か
昭和五十年頃、大阪市東区(現・中央区)の上二病院に勤める夫が、六十歳ぐらいの男性患者から聞いた話。工事現場から転落して肋骨を折り、それが肺に突き刺さって重体となったとき、色とりどりの美しい花園とその前を流れる広い川を目にした。川を渡ろうとしたが鬼が番をしていて、「お前が行くのはまだ早すぎる」と言われ、どうしても渡してもらえなかったという。後日元気になってこの体験を語った。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・2003年(平成15年))
『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』は、松谷みよ子が編んだ現代の民話の聞き書き集で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。一九七八年に発刊された『民話の手帖』を通じて全国から寄せられた回答を中心に、臨死体験、死の知らせ、寺へ来る死者、生まれかわりの話を収める。「あの世へ行った話」「死の話」「生まれかわり」の三章の冒頭に編者の論考を置き、細目ごとに所在地・話者・出典を添えた類話を並べる。