影となって語る師匠の霊
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どんな伝承か
二年前の冬、下北半島の恐山を訪れ、霊能者に霊を呼んでもらったときのこと。霊能者が何事か呟きはじめると、まず亡くなった親が出てきて、次に師匠が現れた。師匠は「よく遠いところまで来てくれたね。私は姿を見せられないので、影となってこうして話をするしか仕方がないんだよ」と語り、方々から呼ばれるようになった弟子のことを喜んだ。あと三年丈夫でいて子や弟子に教え伝えたかったが、体が弱り、立ち木の枯れるごとく倒れてしまい、どれほど良い医師にかかっても逃れられない運命だったという。死んでもエンマ様やアミダ如来にも許され、極楽で蓮の花の上に座り、後から来た妻と仲良く暮らしているから心配するなと告げたそうである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和)
松谷みよ子『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』を小話単位で全699話収録。死の知らせ・予兆、あの世(地獄・極楽)へ行った話、死者からのサイン、生まれかわりなど、生死とあの世にまつわる現代の民話を全国から採集し地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明606話・市区町村判明489話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。
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