山門から太子堂へ流れる話し声
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どんな伝承か
恐山のお山守りから聞いた話。恐山に怨霊が出るとか幽霊が出るとかいうことは、あまり人には言うなと寺から言われているという。それでもやはり出るのが本当だ、とお山守りは語った。五、六年前に交通事故で人事不省になったとき、大男がいて「来るな来るな戻れ戻れ」と大声で怒鳴った。わかったと言おうとしても声が出ず、気がついたら病院にいたという。また、はっと見ると急に何かが見え、上と下から玉のようになって消えていく。話し声もして、決まって山門から真正面へ向かい、戻ってきて寺の前で何か喋り、塔婆堂から太子堂のほうへ遠ざかっていく。子供の声も年寄りの声も聞こえるが、何を喋っているかは聞き取れないという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和)
松谷みよ子『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』を小話単位で全699話収録。死の知らせ・予兆、あの世(地獄・極楽)へ行った話、死者からのサイン、生まれかわりなど、生死とあの世にまつわる現代の民話を全国から採集し地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明606話・市区町村判明489話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。
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