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蚊帳を回る駄馬の上の坊士の亡霊

所在地愛媛県松山市
登場渡辺悌次郎、報告者、以前の住人(松山病院院長)、記録者(筆名・みもすそ川)
出典現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話

どんな伝承か

愛媛県松山市唐人町での話。三上千蔵という人が伊予に旅行して聞いた話を送ってきた。柏井という油屋の持家で、はじめ松山病院院長の渡辺悌次郎が住んでいた頃は怪異もなかったが、二十年ほど前、陸軍衛戍病院の医士と松山警察署の刑部が男ばかりで間借りしていた時に異変が起きた。二階からどんどんと馬に乗って下りる音がし、夏に蚊帳を吊っていると、甲を着た坊士が痩せた駄馬に乗って蚊帳の周りを回る。夜中の十二時頃から二時間ほど続くが、咳払いをすると消えたという。昔、松山藩の贋紙幣をある坊士がこの油屋柏井の家で密造して見つかり、駄馬に乗せられて町を引き回された後、死刑にされたのだという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・2003年(平成15年))

『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』は、松谷みよ子が編んだ現代の民話の聞き書き集で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。一九七八年に発刊された『民話の手帖』を通じて全国から寄せられた回答を中心に、臨死体験、死の知らせ、寺へ来る死者、生まれかわりの話を収める。「あの世へ行った話」「死の話」「生まれかわり」の三章の冒頭に編者の論考を置き、細目ごとに所在地・話者・出典を添えた類話を並べる。

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