一人だけ正気に戻らぬ女房に憑いた者が
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どんな伝承か
狂乱者を点検すると、ただ一人、百姓の妻だけがまだ正気に戻らなかった。憑いた者に何者かと問うと、『俺はこの女と旧い馴染で、仔細あって離別していたが、今回久しぶりに再び馴染を重ね、偕老同穴を契った上はこのまま別れる気はない。末永く二人を添い遂げさせてくれ』と、両袖を顔に当てて泣き出した。役人が芥子を庭の大木に縛った女の鼻の下で焚き、煙を吸わせる荒療治を施したが効かず、ただ狸の泣き声を出すのみで邪気退散の見込みはなかったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
二つの怪奇な心霊現象(浅野和三郎・大正時代(1920年代))
本書は浅野和三郎による二つの重要な心霊現象の記録である。第一は江戸末期の高知県岩原村で発生した古狸と犬神による集団憑依事件で、村民六十四人が昼間に狂乱状態に陥った。神職の祈禱や官吏の対処も一時的な効果に留まった。第二は大正時代の横森家に関わる複雑な因縁譚で、明治23年に盗まれた武田信玄の不動明王掛軸が36年後に神懸りによって発見される。
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大豊町の伝承
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