天徳院住職の幽霊写真
どんな伝承か
明治十三年一月、横浜の写真師三田弥市が、程ヶ谷宿(現在の横浜市内)の真言宗の寺、天徳院の住職小山天領を撮影したところ、法衣姿の彼の左肩後方に、横向きのやつれた若い女の姿がもうろうと現れていた。和尚にはそれが誰かすぐわかった。彼の前身は紀州藩士安芸三郎で、若き日に嫉妬から恋人のお初を殺していた。悔恨から仏門に入っていた和尚は罪を自首し、まもなく死去した。この幽霊写真は警保局に参考資料として保存されたと伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
第四の世界―心霊現象のなぞをとく(田中千代松・1960年(昭和35年))
『第四の世界―心霊現象のなぞをとく』は、田中千代松が一九六〇年に著した心霊現象の解説書である。予言・千里眼・霊聴・霊言・自動書記・サイコメトリーなどの霊能から、幽霊の体験記、物質化した霊像、叩音、物体移動、心霊写真、ルルドの奇蹟、起訴された霊媒、デューク大学の超心理学までを、日本と欧米の事例を交えて扱う。東京大学教授後藤以紀の推薦文とまえおきに続く十六章で構成し、むすびで心霊研究のあり方を論じる。