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隣家から木砲を撃ち込んだ松木邸襲撃

所在地神奈川県平塚市
年代明治11年10月25日深夜
登場伊東音五郎、伊藤兵右衛門、冠彌右衛門、松木忠右衛門、長右衛門一家、木砲を撃った大工、村民、村民総代、隣家の農夫
出典奇談全集 現代篇

どんな伝承か

十月二十五日の夜十一時近く、霧雨の中で村民が松木の屋敷を取り巻いた。音五郎は佐五左衛門の家で二門の木砲に火薬と四之宮の河原の丸石を込め、生垣を隔てて隣り合う松木忠右衛門の庭に据えた。奥座敷まではわずか二間である。番人に見つかったと知らせが来ると、二十余人はすぐ持ち場につき、音五郎が火縄で火を移すと、爆音とともに奥座敷で悲鳴が上がった。続けてもう一門を放ち、屋敷のあちこちに火が放たれた。音五郎は刀を手に裏門から押し入り、逃げ出す作男や番人、少年に斬りつけた。

原典より

恐ろしい爆音が四邊を震はすと共に、長右衛門の家の奥座敷では叫喚の聲が起つた。—— 奇談全集 現代篇(田中貢太郎・奇談全集) より引用
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出典の文献について

奇談全集 現代篇(田中貢太郎・奇談全集)

『奇談全集 現代篇』は、田中貢太郎が幕末から大正にかけての事件や奇談を読み物に仕立てた作品集である。明治十一年に相模の真土村で起きた松木騒動、大正十五年に千葉の久賀村一帯で起きた鬼熊の事件、香取郡の連続殺人、伊賀上野の破獄、京都の天誅などを、記録や関係者の話をもとに描き、松木騒動には筆者が大正六年に現地を訪ねた補遺を付す。播磨屋橋遺聞のように、筆者自身が創作と断る話も含む。

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