下田に伝わったコクリの遊び
どんな伝承か
コクリという遊戯は海外から渡来したもので、明治十六年頃、米国船が伊豆の下田へ寄港した際に水夫の一人がそれを伝えたと言われている。やり方は、節を揃えて一尺二寸に切った女竹三本を交叉させて中心を麻糸でくくり、上に飯櫃の蓋または盆を伏せて数人が手を軽く載せ、指と指を触れ合わせて待つと、しばらくして竹の脚が上がり吉凶禍福を示すというもの。上に卵を載せるとよく踊り、三味線を弾くと大いに浮かれるとも伝えられる。西郷兵衛氏の話では、これは西洋の降神術「テーブルターニング」の一種で、人体電気や無意識の自動作用によるものだという。
原典より
* タッピングで弟の死を予知す (214)* 猫 (216)* 愛犬の死 (218)* 呪いの絵姿 (220)* 大樽滝の白蛇 (222)* 平山婆 (224)* 寄席の没落 (226)*…—— 日本怪談実話(田中貢太郎・河出文庫・1938年(昭和13年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪談実話(田中貢太郎・河出文庫・1938年(昭和13年))
『日本怪談実話』は、田中貢太郎が昭和十三年に著した実話怪談集を河出文庫に収めたものである。明治以降に著者が聞き集めた怪異を報告調の短文で綴り、戦地の霊験や戦死者の知らせ、狐狸・天狗・海坊主、トンネルや自動車に現れる女、幽霊写真、狐狗狸などを扱う。元本は改造社刊の『新怪談集(実話篇)』で、冕言に始まって二百を超える小話を並べ、巻末に川奈まり子の解説を付す。