見料を酒で受け取る赤坂の花咲爺
どんな伝承か
赤坂区新町二丁目十五番地、路地の突き当たりに「なんでもござれ 花咲爺」と看板を掲げた易者がいた。古びた千本格子を開けると三尺六尺の土間があり、その奥の三畳で、白髪を膝まで垂らした六十過ぎの老人が筮竹を前に端座している。背後には風変わりな規則書きが貼られていた。礼を問われても困る、爺は酒好きだから見料は酒でほしい、走り人や失せ物なら二合、縁談や身の上なら三合、ただし込み入った話は根が疲れるからもう少し飲ませてもらいたい、とはいうものの持ち合わせ次第でどうでもよい、とある。縁の下をのぞくと一升徳利が七、八本も転がっていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪奇集成-明治大正昭和篇(富岡直方編著・日本怪奇集成・昭和初期(推定昭和2-3年))
明治・大正・昭和の怪奇譚(日本怪奇集成)/生首と幽霊の怪/狐狸のいたずら/怪盗と世相の怪異/各時代の不思議な事件