毎夕小魚を買いに来る岡田の狐
どんな伝承か
吹浦は日本海に面した戸数三百戸ばかりの漁村で、そこに戸田屋という魚問屋があった。ある日の黄昏時、粗末な半纏にゲートルという労働者風の客が来て、値も聞かずに十円紙幣を出し、小魚をそれだけくれと言って買っていった。客は翌日も翌々日も夕方に現れ、同じほどの小魚を買う。その頃、吹浦から遊佐にかけて、朝起きると庖厨元に小魚が置かれていた、白米や衣服をもらったという噂がひろまり、もらったのは皆貧しい者ばかりであった。不審に思った主人が後をつけると、客は遊佐駅で降り、十町ほど西の岡田という竹藪に囲まれた部落のT家へ入った。だがT家は何も知らず、以後、客は来なくなった。人々はあれは岡田に棲む狐だと言った。
原典より
* 天井からぶらさがる足 (243)* 奇蹟の処女 (244)* 殺した実母が迎えに来る (246)* 母の変死 (247)* 石地蔵の首を締める (250)* 池の中の足首 (253)* 蟹…—— 日本怪談実話(田中貢太郎・河出文庫版・決定版・昭和13年編纂(1938年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪談実話(田中貢太郎・河出文庫版・決定版・昭和13年編纂(1938年))
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