うんかに悩んだ馬見塚村に降った雨
どんな伝承か
慶応三年の夏、吉田方村に属する馬見塚村でも日照りが続いてうんかが発生し、七月十日には村から藩に見分を願い出た。ところが十七日から雨が降り出し、村中一同が大いに喜んだという。著者は、ちょうどこの頃に馬見塚でも御鍬百年祭が営まれたはずで、それが豊作を祈る祭だったことが分かると述べる。この雨はいったん上がったが、八月上旬から各地で一斉に降り始め、雨乞いの効き目もあって数年ぶりの豊作が確かなものとなった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
ええじゃないか始まる(田村貞雄・1986年(昭和61年))
『ええじゃないか始まる』は、田村貞雄が一九八六年に著した幕末の民衆運動「ええじゃないか」の研究書である。慶応三年に三河から遠江・駿河へ広がった御札降りの発端を、牟呂村の「二夜三日正月」、御鍬百年祭、吉田宿の助郷騒動、秋葉信仰との関わりから、村方の文書や日記、市町村史の史料をもとに追う。はしがきに続く八章で発端から波及、仕掛人をめぐる諸説、祭の後の「代替わり」までを論じ、主な史料はその原文を別組で示す。