日照りにも涸れない上平のいもごろ池
どんな伝承か
上平の島の南を通る、今はほとんど使われない細い道が、小野沢の清月堂からの道と交わる三叉路に、いもごろ池という池がある。どれほど日照りが続いても湧き水は変わらず、雨のときにも濁らず、こんこんと湧き続ける。近年まで小野沢や島の人々は茶の水をここへ汲みに来、日照りの年には小野沢西の集落から桶を担いで水を運んだ。昔この地に鉄砲と弓の名人の花岡右衛門五郎と田島惣右衛門がいて、右衛門五郎が紀州家に召し抱えられて去った後、その屋敷の池だったことから名が縮まって「いもごろ池」になったという。
原典より
どんな旱魃のときでも湧水が変らず、又雨どきでも濁りもせずこんこんと水が湧き出ている。—— 坂城町誌 上巻(民俗編)――伝説(坂城町(編)・坂城町誌) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
坂城町誌 上巻(民俗編)――伝説(坂城町(編)・坂城町誌)
『坂城町誌 上巻(民俗編)――伝説』は、長野県坂城町の町誌上巻(自然編・民俗編)から、民俗編の数章を抜き出したものである。祟る所や神罰、ヒトダマ・狐火などの怪異、魔除け、植物の禁忌といった俗信を地区ごとの事例として番号を付けて並べ、続いて甘利さま、天田長者とほうず池、苅屋原の七不思議、貉和尚、夜泣き石など三十余りの伝説を収める。伝説の章は調査員の調査をもとに、以前の調査記録も二、三篇併せて載せる。