長尾郁子の予知能力
どんな伝承か
長尾郁子は、四国丸亀の裁判官長尾与吉の夫人で、そのころ四十歳、一男二女の母であった。祖母から授けられた観音像をまつり、数珠を肌身から離さないというほど信仰心の厚い女性だったという。三十五、六歳のころから、火事や来客をあらかじめ言い当てる予知ができるようになった。やがて熊本の御船千鶴子の透視能力を報じる新聞記事を読んで刺激され、子どもを相手に面白半分に透視実験をやってみたところ、図らずも精神を統一して透視することができた。これがのちに、福来友吉による念写研究へとつながっていくのである。
原典より
三十五、六歳のころから火事や来客を予知できるようになったという。—— 心霊と神秘世界(福来友吉・1932年(昭和7年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊と神秘世界(福来友吉・1932年(昭和7年))
『心霊と神秘世界』は、文学博士福来友吉が著し、昭和七年に人文書院から発行された心霊研究と仏教思想の書である。御船千鶴子・長尾夫人・三田光一らの透視と念写をはじめ、霊の幻化、念動、物質化など国内外の心霊現象を実験記録とともに論じ、後半では自我・神秘世界・霊と生命を真言密教や華厳の教えによって説く。全五編からなり、この本文は昭和五十七年に心交社が出した復刻版で、梅原正紀・井村宏次らの「解説研究編」を付している。