大火の前年に誂えた車箪笥の虫の知らせ
どんな伝承か
著者が十三歳のころ、郷里福井市の旧家だった生家は、市内の大火で家も蔵も一夜のうちに灰になった。ところが焼ける前の年、虫が知らせたとでもいうのか、父は車箪笥を新しく誂えて、長年書きためた福井県郷土史の原稿をぎっしり詰め込み、さらに一畳ほどもある竹の用心籠を二つ新調していた。この二つだけが類焼を免れ、祖先が松平忠昌公に従って福井に来て以来三百三十年余り塗り重ねてきた頑丈な土蔵は、あっけなく焼け落ちたという。助け出された原稿は、のちに多くの人の応援で出版されたと記されている。
原典より
焼ける前年、ムシが知らせたというのでしょう。—— 心霊の開発 ― 神のしくみ(福田倉子・心霊修行・霊媒・1966年(昭和41年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊の開発 ― 神のしくみ(福田倉子・心霊修行・霊媒・1966年(昭和41年))
『心霊の開発 ― 神のしくみ』は、千葉で浄霊真手道場を開いた霊能者の福田倉子が、自らの霊的体験をまとめた本であり、昭和四十一年一月付の跋文を付す。気合術や法華行者・身延山の上人のもとでの修行、千鳥会の降霊会、霊媒として死霊や生霊、動物霊に向き合った事例、真手による浄霊と天福地蔵尊の由来などを記す。第一部「心霊へのみち」から第五部「神のしぐみと使命」までの五部に分け、あとがきと坂田武俊の跋文を置く。