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トンネルの先の川と喪服のおばさん

所在地茨城県稲敷郡阿見町中央三丁目(東京医科大学茨城医療センター)
年代1976年
登場木内鶴彦
出典証言・臨死体験

どんな伝承か

霞ヶ浦病院で検査の直後に気を失った木内鶴彦は、真っ暗なぬかるみを這い進み、遠くの小さな明かりを目指した。振り返ると這ってきた所がトンネルのように見えた。抜けた先は薄明るく、ヨシの茂る広い川があり、岸に打ち捨てられた古い舟に乗って手でこいだが、なかなか進まなかった。対岸に着くと、喪服を着た年配の女が彼の名を呼び、焚き火のそばへ連れていった。そこには亡くなった祖父や若くして死んだいとこが白装束でいた。女の後について丘を越えると、チューリップに似た花が地平線まで咲いていたという。退院後に親戚が見せた古い写真に、その女が写っていた。生まれて間もなく亡くなった父の姉だった。

原典より

そしたら、その一枚に、あのときのおばさんがいたんです。—— 証言・臨死体験(立花隆・臨死体験・ノンフィクション・1996年(平成8年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

証言・臨死体験(立花隆・臨死体験・ノンフィクション・1996年(平成8年))

『証言・臨死体験』は、立花隆が文藝春秋の雑誌『クレア』に連載し、一九九六年に単行本として刊行した臨死体験の証言集である。俳優の安田伸、作家の水上勉、彗星探索家の木内鶴彦、プロレスラーの大仁田厚、映画監督の羽仁進など、病気や事故で死の淵に臨んだ二十三人の体験を、本人や家族からの聞き取りで記録する。各章は人物の略歴と前置きに続けて問答形式の談話を載せ、本人の著書や手記からの引用も交える。

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