白山宮の御殿に降った秋葉と金比羅の札
どんな伝承か
慶応三年の浜松領内の記録として著者が引く高林家の書き抜き帳によると、八月晦日、白山宮の御殿に秋葉山の火防札と金比羅の札が一枚ずつ降った。世話人に相談すると村中で祭るのがよいということになり、高林家も糯米を寄付した。村からは神酒の大樽が一つ、市場組からも酒三升が届き、ほかにも酒や餅、野菜などが信心の人々から寄せられた。九月朔日から支度を始め、二日に祭りを行ったという。
原典より
八月晦日白山宮御殿に、秋葉山火防札一枚、金比羅之札一枚、降札有之候に付、世話人中へ及相談候処、村中一同に而祭致候方可然旨申に付、当家にても糯白壱斗五斤寄附す。—— 日本神異見聞伝(笠井鎮夫・1974年(昭和49年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本神異見聞伝(笠井鎮夫・1974年(昭和49年))
『日本神異見聞伝』は、笠井鎮夫が昭和四十九年に著した霊異の見聞記である。第一篇では、大正期に大本で鎮魂帰神を受けた著者が、霊媒による死者の招霊や狐霊・竜神の託宣、霊石の発掘などを研究会での語りの口調で伝える。第二篇では、慶応三年のええじゃないかのころ尾張・遠江・駿河・美濃・丹後などで起きたお札降りを、旧家の古文書や郷土史家の便り、著者の現地調査から記録している。