寄進者十四家が死に絶えた師直塚
どんな伝承か
兵庫県伊丹市の師直塚は、足利尊氏の執事で悪人として名高い高師直にまつわる塚である。師直は待ち伏せに遭って弟の師泰らとともに惨殺され、首は武庫川の河原にさらされた後、足利の家来が近くの丘に埋めて墓石代わりに石を置いたという。この塚は動かすたびに祟りをなすとされ、大正四年に稲野村の高部宗太郎村長らが愛媛県から名石を取り寄せて供養碑を建て、悪人も死ねば仏という碑文を刻んだ。ところが寄進者として名を刻んだ十四人の家は、その後ことごとく死に絶え、毒にあたって一家八人が一夜で悶死した家もあったと伝えられる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の四次元(鈴江淳也・心霊・四次元・1973年(昭和48年))
『日本の四次元』は、鈴江淳也が昭和四十八年に著した超常現象の取材記である。幽霊の出る家や競馬場、古武士の怨念、守護霊、心霊写真、新幹線の四次元地帯、心霊治療、物品引き寄せ、てのひら療法、比婆山の怪獣やツチノコ、死後も占う易者犬などを、当事者を訪ねて聞いた話として記す。「幽霊と怨念の世界」から「動植物の驚異」まで六部に分け、あとがきで大陸書房刊『日本の奇談』『現代の怪奇』に続く第三弾と述べ、問い合わせ先を挙げる。