判事夫人が乾板に念じた忠の一字
どんな伝承か
明治四十四年、香川県丸亀裁判所の判事夫人・長尾郁子は霊能者として評判で、東京帝大の福来友吉博士が念写実験を依頼した。田阪医師が乾板を買い求めて手放さず、「忠」の字を書いた紙を額に当てて一心に念じたところ、現像した乾板に「忠」の字が鮮やかに現れた。以後「天照」「神」など数々の文字を乾板に焼きつけ、この不思議な現象は「念写」と呼ばれて海外にも紹介され、大反響を呼んだ。
原典より
ややあって現像したところ、「忠」の字が鮮かに出てきたのであった。—— 現代の怪奇-日本列島のミステリー地帯(鈴江淳也・1970年(昭和45年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の怪奇-日本列島のミステリー地帯(鈴江淳也・1970年(昭和45年))
『現代の怪奇――日本列島のミステリー地帯』は、鈴江淳也が前著『日本の奇談』に続けてまとめた、現代の超常現象と奇談のレポートである。桑名の「天狗の初さん」、新幹線の亡霊、京都のタクシーに乗る幽霊客、人魂、原因の知れない奇病、念写と三田光一の透視などを、著者の取材・面談と、大正の新聞から昭和四十年代の週刊誌までの記事で集めて収める。五つの部に分け、あとがきは昭和四十五年三月の日付で、巻末に機関誌などを入手できる団体・研究家の一覧を付す。