透視で水中から見つかった郵便行嚢
どんな伝承か
大正三年六月頃、香川県三豊郡高瀬村出身の森鉄眼が、神戸市兵庫区永沢町三丁目に妾を囲いながら、関西一円から高知まで足をのばして郵便行嚢を盗んでいた。相生橋署はついに森を捕らえたが、いくら追及しても行嚢の行方を口にしない。そこで折しも神戸に来ていた三田光一を署に招いて透視させると、彼はしばし瞑目したのち「行嚢の姿が現われました。いずれも水の中にあります」と告げ、神戸港の京橋下の海中や蟹川尻浮橋三枚目など三か所の位置を明言した。驚いた署長が水上署のボートを繰り出して指摘の箇所を捜索させると、その通り三個の行嚢が見つかったという。
原典より
この透視に驚いた署長は、水上暑のボートを繰り出し、指摘した個所を捜索してみると、ズバリ三個の行嚢が出たのである。—— 現代の怪奇-日本列島のミステリー地帯(鈴江淳也・1970年(昭和45年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の怪奇-日本列島のミステリー地帯(鈴江淳也・1970年(昭和45年))
『現代の怪奇――日本列島のミステリー地帯』は、鈴江淳也が前著『日本の奇談』に続けてまとめた、現代の超常現象と奇談のレポートである。桑名の「天狗の初さん」、新幹線の亡霊、京都のタクシーに乗る幽霊客、人魂、原因の知れない奇病、念写と三田光一の透視などを、著者の取材・面談と、大正の新聞から昭和四十年代の週刊誌までの記事で集めて収める。五つの部に分け、あとがきは昭和四十五年三月の日付で、巻末に機関誌などを入手できる団体・研究家の一覧を付す。