居留地の英国商館に降った御札
どんな伝承か
慶応三年十一月、横浜では絹糸を商う英国商館ほか二か所の外国人商店に神符が舞い降りたという。驚いた英国人は再拝して新たに神棚をこしらえ、日本人の番頭にドル百枚を渡して日本の作法で拝んでもらった。他にも七十枚、六十枚を出す英国人があり、貧しい人々に金を与える者もあったと伝わる。外国人の店にまで札を降らせて金を出させたところに、当時の「お札降り」の勢いのすさまじさがうかがえる。
原典より
外国人の店に降らせて金を出させているあたりに、当時の「お札降り」の勢いのすさまじさがみられる。—— ええじゃないか(高木俊輔) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
ええじゃないか(高木俊輔)
『ええじゃないか』は、幕末維新期の民衆運動を研究してきた高木俊輔が、慶応三年から翌年にかけて広がった「お札降り」と「ええじゃないか」の乱舞を各地の史料からたどった歴史書である。三河吉田での初出から東海道、甲斐、江戸、信濃、伊勢、京都、大坂、中国、淡路、四国まで、日記や記録に残る降札と踊りを国ごとに述べる。概観と東国・西国の四章に続く終章で降札の作為者やおかげ参り、世直しとの関わりを論じ、参考文献を付す。