大地震の空を渡る馬形の物
どんな伝承か
安政二年の大地震のさなか、北西の空から馬のような姿の物が南へ飛んだ、と語る者がいた。白い気が南へ渡ったのだと言う者もいる。証拠として引かれたのが浅草寺の五重塔で、九輪だけが西へひどく曲がっていた。塔そのものは傾かず、傷ひとつない。それなのに折れるはずの九輪が曲がっているのは実に不審だ、地震の揺れだけの仕業とは思えない、何かが飛んだという話も根拠がないとは言えない――当時の随筆はそう書き留めている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本のUFO(池田隆雄・UFO・未確認現象・1974年(昭和49年))
『日本のUFO』は、池田隆雄が昭和四十九年に著した、日本国内のUFO目撃事例の研究書である。古記録に残る怪しい星や安政の江戸大地震で目撃された光り物から、昭和二十年代以降の各地の目撃、着陸痕、レーダー捕捉や機上目撃までを、国内のUFO研究団体の会誌や新聞記事をもとに集める。編隊飛行、形態、色と舷窓、運動、知的な行動、天体との関係、着陸痕、海上の活動、レーダーと機上目撃の章に事例を分類し、巻末に参考資料とあとがきを置く。