気絶した兵の魂が帰った家
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どんな伝承か
柳田国男・佐々木喜善の『遠野物語拾遺』には、日露戦争の頃のこととして次の話が載る。土淵村から近衛連隊に入営した某仁太郎という者がいた。仁太郎は逆立ちが得意で、ある夏の朝、台木から真逆さまに墜ちて気絶した。その間、故郷に帰ろうと営内を駆け出したが足が進まず、地上五尺ばかり飛び上がって村へ帰った。妻と嫂が家の前の小川で足を洗っており、家に飛び入って炉の横座に坐ると、母が長煙管をくわえ笑顔で見守っていた。兵営に駆け込んだと思った時、薬剤の匂いで目が覚めた。事の次第を書き送ると行き違いに家からも便りが来て、その日の午後、白い服の仁太郎が家に駆け入り、横座に坐って消えたとあった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
幻視する近代空間 ―迷信・病気・座敷牢、あるいは歴史の記憶(川村邦光・現代(近代史研究))
民俗学者・川村邦光が、近代日本が在来の習俗や憑きもの信仰をいかに〈迷信〉として再編し、狐憑きを脳病・神経病・憑依妄想へ病理化したかを、具体的事件・事例に即して論じた近代史。
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遠野市の伝承
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