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何鹿郡に出た二十八人の発狂者

所在地京都府綾部市
年代明治24年(1891)
登場出口なお、神がかり者
出典幻視する近代空間 ―迷信・病気・座敷牢、あるいは歴史の記憶

どんな伝承か

明治二十四年、京都府の何鹿郡では二十八人もの発狂者が出たと伝えられる。この土地の製糸業には明治十五年に器械製糸が入り、それまで女たちが手で担ってきた糸引きの仕事は次第に消えていった。出口なおも糸引きで暮らしを立てていた一人で、職を失うと襤褸買いや紙屑買いに回り、ついには乞食にまで身を落とすことを神から与えられた務めと受け取った。なおと二人の娘に起きた神がかり、あるいは狐憑きも、村と職人の世界が崩れてゆく流れのただ中で生じた出来事だったと著者は見ている。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

幻視する近代空間 ―迷信・病気・座敷牢、あるいは歴史の記憶(川村邦光・1989年(平成元年))

『幻視する近代空間 ―迷信・病気・座敷牢、あるいは歴史の記憶』は、川村邦光が近代日本の民衆の心性をたどった論考で、あとがきは一九八九年十二月の日付である。明治の「血税一揆」の流言、トラホームと〈迷信〉、狐憑きと精神医学、「脳病」「神経病」、座敷牢と精神病者監護法、芦原将軍の誇大妄想と出口なおの神がかり、祖先教と靖国による霊魂の管理を、新聞記事や民話、医学書、調査報告から読み解く。はじめにの後に三部と終章を置き、あとがきで結ぶ。

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