渡月橋で振り返らない法輪寺の十三詣り
どんな伝承か
京都市の嵐山には、嵯峨の虚空蔵さんと呼ばれて市民に親しまれる法輪寺があり、十三詣りの知恵もらいが行われる。四月十三日の虚空蔵の縁日に、十三歳の子女が両親に付き添われて参り、知恵と福徳を授かる。昔は十三種の菓子を供えてから持ち帰って食べさせたり、振り返ると授かった知恵を返してしまうので、渡月橋を渡り終えるまで決して後ろを見てはならないと戒めたりしたという。近ごろは縁日前後の日曜日のほうがにぎわうそうである。
原典より
四月一三日、虚空蔵さまの縁日には、一三歳の子女が両親につきそわれて参拝に来るが、目的は知恵、福徳を授けてもらうため。—— 現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年))
『現代の迷信』は、今野圓輔が昭和三十六年に著した、現代の俗信を一般の読者に向けて説いた読み物である。昭和三十年代の新聞・雑誌の報道や聞き書きを主な材料に、縁起かつぎ、前兆・占い・禁忌・まじない・願掛け、憑きもの落としの殺人や新興宗教の騒ぎまでを全国から拾い集めている。「現状」「過誤と真実」「その背景」「迷信論」の四部から成り、巻末に読者の問いに答える迷信身の上相談を付ける。