兄弟六人を通した四九八番
どんな伝承か
慶応義塾大学教授の梅沢純夫は、創立まもない武蔵高校を受けた折の番号を語っている。父が受付に何時間も並んでようやく取ったのが四九八番で、ヨク・ハいると読ませる縁起かつぎだった。純夫は合格し、続く弟の浜夫も同じ番号で難なく通った。以後、邦臣・勉・実・博臣と四人の弟も父が苦労して同じ番号を確保し、六人そろって同じ学校に入った。科学者一家として知られ縁起をかつぐ家風ではなかったが、この番号は両親を落ち着かせる効き目があったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年))
『現代の迷信』は、今野圓輔が昭和三十六年に著した、現代の俗信を一般の読者に向けて説いた読み物である。昭和三十年代の新聞・雑誌の報道や聞き書きを主な材料に、縁起かつぎ、前兆・占い・禁忌・まじない・願掛け、憑きもの落としの殺人や新興宗教の騒ぎまでを全国から拾い集めている。「現状」「過誤と真実」「その背景」「迷信論」の四部から成り、巻末に読者の問いに答える迷信身の上相談を付ける。