大根を作らぬ小高明神の氏子
どんな伝承か
上総の東部では、小高の姓を名乗る家々が大根を作らない。夷隅郡千町村の小高明神の氏子も、同じ郡の長者町東小高の鎮守の氏子も同様で、畑に植えないばかりか、道端に自生した大根を見つけると村人が寄り集まって祈禱したという。理由は、小高明神が大根につまずいて転び、茶の木で目を突いたからだと語られている。もっとも、これを伝える報告は五十年も前のものである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年))
『現代の迷信』は、今野圓輔が昭和三十六年に著した、現代の俗信を一般の読者に向けて説いた読み物である。昭和三十年代の新聞・雑誌の報道や聞き書きを主な材料に、縁起かつぎ、前兆・占い・禁忌・まじない・願掛け、憑きもの落としの殺人や新興宗教の騒ぎまでを全国から拾い集めている。「現状」「過誤と真実」「その背景」「迷信論」の四部から成り、巻末に読者の問いに答える迷信身の上相談を付ける。